adidas ATPの年代判別と歴史

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adidasのヴィンテージアイテムの中でも、特に高い人気を誇るのが「ATP(American Tennis Professionals)」モデルです。その独特の風合いとレトロなデザインは、多くのファッション愛好家を魅了し続けています。

この記事では、なぜATPが特別な存在であり続けるのか、その歴史からモデルの見分け方、そして現代の着こなし方まで、深く掘り下げてご紹介します。

adidas ATPとは?その歴史と背景

ATPとは、1970年代から80年代にかけてアメリカで製造されていた、テニスウェアのラインナップです。当時の契約選手が着用していたことから、プロ仕様の高品質なジャージとして人気を博しました。

特に日本で「ATP」という呼び名が広まったのは、その象徴的なデザインと希少性によるものです。製造の主流がアメリカからアジアに移るにつれて生産が終了し、現在ではヴィンテージ市場でしか手に入らない、幻のジャージとなりました。

コレクター必見!adidas ATPを見分けるポイント

ATPモデルには、製造年代や工場によって細かな違いがあります。本物を手に入れるために、以下のポイントをチェックしましょう。

1. タグの種類と年代判別法

adidasのタグには、年代ごとに様々な特徴があり、製造時期を特定する重要な手がかりとなります。

  • 1960年代〜1971年: トレフォイル(三つ葉)マークがなく、ワールドマークと呼ばれる地球儀のマークがタグについているものもあります。これは60年代後期の非常に希少なモデルです。
  • 1972年〜80年代: タグのトレフォイルの葉っぱがバラバラになっているのが特徴です。また、この時期のモデルには「ATP」のマークが入っています。
  • 1980年代前半: タグのトレフォイルの葉っぱの線が一本だけ繋がっているのが見分け方のポイントです。
  • 1980年代後半: トレフォイルの葉っぱの線が二本以上繋がっているものが多く見られます。
  • 1980年代後半以降: タグに万国旗が書かれているものが増えていきます。
  • 1991年以降: 山型の「パフォーマンスロゴ」が使われるようになります。

また、**「MADE IN U.S.A.」と表記されているものは80年代に多く、「PRODUCTION VENTEX」**の表記があるものは67年から80年代後半まで、「KEYROLAN」と書かれているものは70年代中盤以降のモデルと判別できます。

2. 襟とジッパーの形状

ATPの象徴的なデザインとして、ジッパー付きのスタンドカラーが挙げられます。

  • 鍵ネック: 通称「鍵ネック」と呼ばれる、鍵のような形状をしたジッパープルが特徴です。これがあるものが、特に初期のATPモデルとされています。
  • 涙ジップ: 鍵ジップの後に採用された、涙のしずくのような形のジッパープルを持つモデルもあります。

日本独自仕様のadidas「デサント製」にも注目

adidasと日本のスポーツメーカーデサントは、1970年代から90年代にかけてライセンス契約を結び、日本国内向けにadidas製品を製造していました。この「デサント製adidas」も、ヴィンテージ市場では高い人気を誇ります。

デサント製adidasのジャージは、本国のアメリカ製とは異なる独自のシルエットやカラーリングが特徴です。特に、ジャージのサイドにある三本線の幅や素材、また、左胸のトレフォイルロゴの刺繡の仕方が異なり、デサント製ならではのこだわりが見られます。ATPとはまた違った魅力を放っており、コレクターの間ではデサント製を専門に集める人もいるほどです。

偽物を見分けるためのチェックポイント

ATPは人気が高いゆえに、偽物も出回っています。購入の際は、以下の点に注意してください。

  • タグの質感: 本物のタグは独特のざらつきがあり、偽物は光沢があることが多いです。
  • ロゴの刺繍: 本物のトレフォイルロゴは、糸が密集して緻密に縫われています。
  • ジップ: 鍵ジップは偽物では再現が難しく、安価なジップが使われていることが多いです。

現代のファッションとadidas ATP

ATPは、そのレトロで独特な風合いから、現代のファッションシーンにおいても高い評価を受けています。

  • セットアップ: ジャージ上下で着こなすことで、そのクラシックな魅力を最大限に引き出せます。
  • レイヤードスタイル: Tシャツやパーカーとの組み合わせも人気です。

流行に左右されないそのデザインは、まさに普遍的な価値を持つ一着と言えるでしょう。

まとめ

adidas ATPは、単なる古着ではなく、時代の空気とスポーツの歴史を閉じ込めた特別なアイテムです。本物のATPを見つけ出すには少し知識が必要ですが、その過程もまた、古着の醍醐味の一つです。

そして、デサント製adidasという、日本独自の視点から生まれた名作にも注目してみると、さらにヴィンテージジャージの世界が広がります。ぜひこの記事を参考に、あなただけの完璧な一着を探してみてください。

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