ヴィンテージジーンズの世界へようこそ。
Levi’sのジーンズは、単なる衣料品ではなく、アメリカの歴史そのものを刻んできた文化的アイコンです。特に、製造から数十年を経たヴィンテージのLevi’sは、その風合いやディテールから、唯一無二の魅力を放っています。
しかし、一見同じように見えるジーンズも、年代によって全く異なる価値を持っています。
この記事では、ヴィンテージLevi’sの年代を判別するための6つの重要なポイントを、初心者にもわかりやすく解説します。タンスに眠っているジーンズや、古着屋で出会った一本が、実はとんでもないお宝かもしれません。
1. 赤いタブ(レッドタブ)
Levi’sを象徴する赤いタブは、年代を判別する最も重要な手がかりです。
- 1960年代後半以前: 「LEVI’S」のEが大文字です。通称「ビッグE」と呼ばれ、非常に価値が高いとされています。
- 1971年以降: 「Levi’s」のeが小文字に変わります。通称「スモールe」と呼ばれ、この切り替えが年代判別の大きなポイントです。
- 1990年代以降: タブが白地に黒文字、または銀色の文字になるなど、さらにバリエーションが増えます。
2. パッチ(紙 or 革)
ジーンズのウエストバンドの右後ろにあるパッチも、年代を物語る重要な要素です。
- 1950年代以前: 革製の「レザーパッチ」が使われています。
- 1950年代後半~: 501品番から革に似せた紙製の「ギャラ入り紙パッチ」が登場します。紙パッチの登場は、コストダウンの流れを象徴しています。
- 1960年代後半~: ギャラの表記が消え、現在の形に近い紙パッチになります。
3. ボタンとリベットの刻印
細かなパーツにも、年代を判別するヒントが隠されています。
- トップボタン: ボタン裏の刻印に注目しましょう。
- 1960年代後半以前: トップボタン裏の刻印は一桁の数字です(例:6, 8, 16)。
- 1970年代以降: 三桁の数字(例:555, 501)が主流となります。
- リベット:
- 1960年代以前: リベットの裏側が銅色で、刻印がありません。
- 1970年代以降: リベットの裏側も銀色になり、刻印が入るようになります。
4. セルビッジ(耳)
セルビッジとは、ジーンズのサイドシームを内側から見た時に現れる、生地の端の処理のことです。
- 1980年代前半まで: 501品番は、赤い糸で縫われた「赤耳(レッドライン)」のセルビッジが使われています。これは旧式の織機でしか作れず、ヴィンテージの証とされています。
- 1980年代後半以降: 生産効率を上げるため、セルビッジのない「両サイド縫い」が主流となります。
5. ステッチの色
糸の色も、年代を見分けるヒントになります。
- 1960年代後半以前: 縫製に「イエローステッチ」が多く使われており、特に股下部分は全てイエロー糸で縫われていることが特徴です。
- 1970年代以降: 縫製にオレンジ色の「オレンジステッチ」が使われるようになり、徐々にイエローステッチの割合が減っていきます。
6. 洗濯表示タグ(ケアタグ)
内側のウエストバンドに縫い付けられた洗濯表示タグは、比較的新しい年代の判別に役立ちます。
- 1971年以降: Levi’sの文字が小文字になったタイミングで、洗濯表示タグが付き始めます。
- 1973年以降: タグに製造工場番号と製造年月が記載されるようになります。これが最も正確な年代判別法の一つです。
まとめ
Levi’sの年代判別は、複数の要素を複合的にチェックすることで、より正確な情報を得ることができます。
[ビッグE] → [スモールe] → [ケアタグ] という大きな流れと、それぞれの時代で使われたディテールを覚えておくだけで、古着屋でのジーンズ選びがぐっと楽しくなるはずです。
もし、この記事を読んでいるあなたがヴィンテージジーンズに興味を持ったなら、ぜひ一度、お気に入りの古着屋さんで宝探しに挑戦してみてください。
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