ヴィンテージのハーレーダビッドソンTシャツは、その一枚一枚にブランドの歴史が刻まれています。年代を判別する上で最も重要な手がかりとなるのが、Tシャツの内側にある「タグ」です。
ここでは、Tシャツのタグがどのように変化してきたのか、その詳細な特徴を年代別に解説します。
1950年代:ウイングタグの時代
50年代のハーレーダビッドソンTシャツの特徴は、タグの形状にあります。
- ウイングタグ:タグの形状が、翼を広げたような独特のデザインをしていることから、こう呼ばれています。
- デザイン:シンプルな「Harley-Davidson」のロゴが中央に配置されており、製造年や素材が簡潔に記されています。この時代のTシャツは現存数が少なく、非常に希少価値が高いとされています。
このタグが作られた50年代は、戦後のアメリカでモーターサイクルカルチャーが広がり始めた時期であり、タグのデザインにもそのシンプルで力強い時代背景が反映されていると言えるでしょう。
1960年代後半〜1970年代:バータグの時代
この年代に多く見られるのが「バータグ」です。
- バータグ:細長い長方形の形状をしており、まるで一本の「バー(棒)」のようであることからこう呼ばれています。
- デザイン:ロゴが横一列に並んでおり、「MADE IN U.S.A.」の表記が明確に記されています。
- 特徴:この時代のタグは、Tシャツのボディメーカー(例:SCREEN STARS、HANES)のタグと併用されていることが多く、両方のタグが付いているのが特徴です。
70年代は、ヒッピー文化やロックカルチャーが隆盛を極めた時代で、ハーレーダビッドソンもその自由な精神を象徴するアイテムとして、若者たちの間で人気となりました。この時代のTシャツは、ヴィンテージ市場でも特に需要が高いことで知られています。
1980年代:バー&シールドロゴの登場
80年代に入ると、現在でもおなじみの「バー&シールド」のロゴがタグにも登場します。
- バー&シールドタグ:ブランドの象徴であるバー&シールドのロゴが、大きく描かれています。
- 表記:「MOTOR CYCLES」の表記が加わり、よりブランドのアイデンティティが強調されるようになります。
この時代から、Tシャツのデザインもさらに多様化し、カラフルなデザインやポップなイラストが増えていきました。
1990年代以降:タグの多様化と進化
90年代から現代にかけては、タグのデザインがさらに細分化されます。
- タグの素材:紙製のタグや、生地に直接印刷されたタグが一般的になります。これは、着心地の向上とコスト削減を目的としたものです。
- ホログラム:近年製造されたTシャツの中には、偽造防止のためにホログラムが使用されているタグも見られます。
まとめ
Tシャツのタグは、単なる品質表示ではありません。それは、そのTシャツがいつ、どんな時代に作られたのかを教えてくれる、貴重な「歴史の証人」です。Tシャツのボディやプリントデザインだけでなく、タグが持つ独特の風合いやデザインにも注目することで、ヴィンテージの奥深さをより深く知ることができるでしょう。
あなたのお気に入りのTシャツのタグは、どの時代の物語を語っていますか?
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